こんにちは、管理人です。
空手の稽古やスポーツにおいて、子どものパフォーマンスがなかなか上がらず悶々としてしまう・・・という経験はないでしょうか?
特に、親が叱れば叱るほど子どももパフォーマンスが落ちてしまう。という場合も少なくありません。
ここでは、子どものパフォーマンスを高める親子関係の築き方について、私が実践している方法を脳科学に基づいて紹介します。
2つのホルモンを意識する
まず、私が子どもを指導する際に意識するホルモンが2つあります。それは、「オキシトシン」と「コルチゾール」という2つのホルモンです。
以下に、2つのホルモンの働きについて簡単に説明します。
オキシトシン
オキシトシンは、いわゆる「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンであり、オキシトシンが分泌されることで体にさまざまな変化をもたらします。
<オキシトシンが体にもたらす効果>
・幸せな気分になる
・ストレスが緩和する
・不安や恐怖心が減少する
・他者への信頼の気持ちが増す
・社交的な感情が強まる
・学習意欲や記憶力の向上
・心肺機能の向上
・免疫力の強化
コルチゾール
コルチゾールは、ストレスを受けた際に分泌される「ストレスホルモン」と呼ばれるものです。コルチゾールは「脳や体がストレスに適応できるように体を調整する」という作用がありますが、コルチゾールが長期間に渡って分泌されてしまうことでデメリットもあります。
<コルチゾールの長期分泌がもたらす影響>
・筋肉を分解してしまう
スポーツにおいてパフォーマンスを上げるためには筋肉の働きが重要ですが、コルチゾールの過剰な分泌はパフォーマンスを低下させてしまうことにつながります。
「叱られた」「褒められた」場合のホルモン分泌について
先ほど紹介した、2つのホルモン(オキシトシン・コルチゾール)は以下のような状態で分泌されます。
・叱られる → コルチゾール(ストレスホルモン)
・褒められる → オキシトシン(幸せホルモン)
「叱れば叱るほどパフォーマンスが落ちる」という具合に、どうしようもなくなる場合があります。
これはストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌によって筋肉が分解してパフォーマンスがダダ下がりになってしまう、最悪の状態です。このような場合は、子どもが自信を少しでも取り戻せるよう、早期に改善をおこなう必要があります。
私が実戦する「叱り方」「褒め方」のポイント
叱る場合
・具体的に改善すべきポイントを教える
・叱る場合は必要最小限に留め、コルチゾールを過剰分泌させない
褒める場合
・ダメなポイントが改善できた場合にしっかりと褒める。
・もともと得意な技などはしっかり褒め、より自信をつけさせる。
個人的な感想ですが、叱る際には具体的な改善ポイントを伝えた上で、改善できた際にしっかり褒めることでオキシトシンの分泌も活性化し、ただ目的もなく褒めるよりもパフォーマンスの向上が著しいのではないかと感じています。
パフォーマンスを高める親子関係とは?
叱るポイント・褒めるポイントを明確に
子どものパフォーマンスを高める親子関係を構築する上で重要なのは、「叱るポイント・褒めるポイント」を明確にすることです。
叱ってばかりいては、子どもから見て「ただのうるさい親」という印象が定着してしまい。だんだん親のアドバイスなどを聞き入れてもらえなくなります。
逆に、子どもが苦しいときに具体的な助言もなく、曖昧な褒め方ばかりでも「適当なことを言う親だ」という印象を持たれてしまう危険性もあります。
子どもに「嫌われる」ことを恐れない
スポーツにおける親子の信頼関係を築くには、「叱るポイント・褒めるポイント」を明確にし、叱る際には「嫌われる勇気」を持つことも重要です。むしろ、子どもに嫌われることを恐れてなあなあにしてしまう方が良くありません。
そのように、親が明確な基準を持って「叱る」「褒める」を繰り返すことで子どもも「どんな場合に叱られるか・褒められるか」ということを学んでいきますので、結果的にパフォーマンスが上がっていくものだと考えています。
先日、優勝した大会での一コマ。親子で信頼関係が構築できていると、アドバイスも良く聞いてくれます。
もっと脳科学について知りたい方は
今回は「オキシトシン」「コルチゾール」といった2つのホルモンによるシンプルな説明でしたが、脳科学についてもっと知りたい方はこちらの本がおすすめです。
子どもの脳を育てるための理論とトレーニング方法がわかりやすく解説されていますのでおすすめです。