空手の技術体系が向上するタイミングについて。
近年、大会の増加などにより選手のレベルは上がっていますが、
もうひとつ、空手の技術体系が急激に変化するタイミングというものがあると考えています。それは、特異な組手スタイルを持つ選手が登場した場合。
他の選手とは明らかに違う組手
JFKO第3回全日本フルコンタクト空手道選手権大会に軽量級で出場した石田大和選手(空研塾)。独特のフットワークと回転系の蹴りを多用する彼の組手は周りの選手とは明らかに違いました。(動画は彼の特徴が良く出ていた2回戦の動画を掲載しました。この大会で、4回戦まで勝ち進み、強豪の秋元皓貴選手に惜しくも敗れました。)
※6:00頃から石田選手の試合が始まります。
彼の組手スタイルはスピードとリズム感が重要なので、誰にでもできるスタイルではないのですが、相手選手は明らかにやりにくそうでした。
石田選手の情報がこの大会以外に見当たりませんでしたが、このような選手が結果を出しはじめると、周りの選手も研究をはじめ、技術体系が向上するきっかけとなります。
過去の事例
過去の事例としては、塚本徳臣選手(現:新極真会師範)の台頭がありました。塚本師範は、当時ではあまり見られなかった縦回転の胴回し回転蹴りを使いこなし、数々の大会で活躍されました。
現在では、胴回し蹴りは多くの選手が使用するようになり、大会でも目にする機会が増えました。
また、アンディ・フグ選手が多用していたカカト落としも現在ではメジャーな技のひとつとなっています。(スピーディーな試合が増えた現在では、使う選手が減ったようにも感じますが。)
このように、当時では異端とされていた技やスタイルなどが時間の経過とともに一般的となるケースは多数あります。
新しい技術やスタイルは積極的に研究し、みんなで技術体系をレベルアップさせていきましょう。