皆さんは、お子様に空手を習わせたいと思った場合にどのような基準で道場を選びますか?「礼儀正しくさせたい」「とにかく強くしたい」など、目的はさまざまだと思います。
ここでは、実際に道場を運営している私の視点から見た、空手道場をタイプ別に紹介していきたいと思います。道場見学の際は、この記事を参考に道場の傾向をつかんでいただき、お子様に合った道場探しにお役立ていただければ幸いです。
まずは基本的な稽古の流れを知っておきましょう
道場を見学する場合、まずは空手の基本的な稽古の流れを知っておきましょう。稽古にもさまざまな種類がありますが、その道場がどこに重点を置いている(時間を割いている)かによって、ある程度の育成方針を図ることができます。
稽古の流れ(基本)
<稽古内容>
- 準備体操
- 基本稽古
- 補強(腕立て伏せなどの筋トレ)
- 移動稽古
- 型稽古
- ミット稽古
- 組手稽古
※以上の内容を休憩をはさみながらおこないます
だいたい、上記のような内容が空手道場の基本的な流れです。稽古時間は道場によって異なっており、およそ1時間~2時間が一般的です。すべての稽古をみっちりやってしまうと時間が足りなくなってしまいますので、ここをどのような配分で稽古をおこなうかによって道場の性格が出てくるポイントとなります。
「タイプ別あるある」で適性診断
ここでは道場の傾向をタイプ別に分類してみました。分類の基準は稽古内容を基本としています。
とにかくすべてこなす!「オールマイティ」タイプ
<稽古パターン(例)>
- 準備体操
- 基本稽古
- 補強(腕立て伏せなどの筋トレ)
- 移動稽古
- 型稽古
- ミット稽古
- 組手稽古
「とにかく基本こそがすべて。」というタイプの道場は同じメニューをたんたんと繰り返し、己の技術をひたすらに磨き上げる傾向にあります。稽古は1時間半~2時間ていどと、時間を長めにとる傾向があります。
基本から組手までしっかりと学ぶことができるメリットがありますが、指導者の段取りの良さ(時間の使い方)や生徒のレベルに合わせた稽古内容となっているかが重要なポイントとなります。
時間が足りないのか、落ち着きがなく駆け足の稽古をしてしまう道場は少し注意する必要があるかもしれません。
美しきこそ我が空手!「型」重視タイプ
<稽古パターン(例)>
- 準備体操
- 基本稽古
- 移動稽古
- 型稽古
- 組手稽古
型が好きな道場(指導者)の場合、上記の3「移動稽古」、4「型稽古」に重きをおくタイプです。
稽古時間は1時間~2時間ていどとバラバラ。
このタイプの道場は型が好きなので姿勢やカラダの使い方をみっちり時間を割く傾向にあります。礼儀作法にもこだわるタイプが多いので、「礼儀正しく、美しく」といったタイプを目指すには最適な道場です。
反面、補強(筋トレ)がなかったり、組手も形式的に短時間で済ませたりという場合が多く、精一杯カラダを動かしたいお子様の場合には少々物足りないかも知れません。
女性や年配の方など道場生の年齢層も高かったり、体格も標準体型や細見体系が多く目立ちます。
実力至上主義!「ガンガン行こうぜ」組手タイプ
<稽古パターン(例)>
- 準備体操
- 基本稽古
- 補強(腕立て伏せなどの筋トレ)
- ミット稽古
- 組手稽古
このタイプの道場は試合(組手)での技術向上にこだわっており、下手をすれば基本稽古すらすっ飛ばしてしまう豪快で思い切りの良い道場もあります。
稽古時間は1時間~1時間半と、短時間で終わる傾向が強いです。
稽古内容も試合を念頭に置いた実践的な稽古に多くの時間を割き、補強(筋トレ)などの体力づくりにも熱心です。このような道場の性質から、子ども~中・高生までの元気な道場生が多く集まる傾向にあります。
指導者も大会での入賞経験のある元・選手などといった年齢層も比較的若めな傾向があります。
このようなタイプの場合、できる子ばかり集めているのではなく、運動が苦手な子に対してどのように接しているかが良い道場かを見極めるポイントだといえます。
優れた指導力が必要「型⇔組手」ハイブリットタイプ
<稽古パターン(例)>
- 準備体操
- 基本稽古
- 補強(腕立て伏せなどの筋トレ)
- 移動稽古
- 型稽古
- ミット稽古
- 組手稽古
※日によって臨機応変に稽古内容が変わります
その日のメンバーや各生徒の力量によって、「型」重視の日、「組手」重視の日といったように臨機応変に稽古内容を変え、時には他の道場にはない独自の稽古メニューも飛び出してくるのがハイブリットタイプの道場です。
稽古時間は1時間~1時間半という、時間の制約がある中でいかに効率良く稽古をするかという点に重きを置いています。
また、ハイブリットタイプと聞こえは良いのですが、指導者の力量によって稽古の質が如実にあらわれてしまうため、「諸刃の剣」的な面も持ち合わせた道場です。
指導者がしっかりとした理論や指導論を持っていないと、すぐに生徒がグダグダになってしまうので、見学の際には「生徒が集中力を持って稽古ができているか?」を見極めるポイントとなります。
空手未経験の保護者が見極めることの難しい道場ですが、「当たり」の道場であればラッキー、お子様はみるみる上達することでしょう。
さて、道場探しです
タイプ別に紹介しましたが、上記のようなタイプの道場が近所に揃っているわけでもありません。まずは道場見学or体験を経てそれぞれの道場の雰囲気を感じてみましょう。お子様が興味を持つかといった反応も考慮しながら、良い空手道場を見つけていきましょう。
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