カラテ&マーシャル(空手・格闘技情報まとめ)

空手に関するトレーニング&テクニック記事の他、格闘技全般のニュースを幅広く取り上げます。

現役指導者が語る、空手を習うメリットとは?

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毎年4月~5月ごろにかけては、新学期スタートというということもあり、子供を空手に習わせたいという保護者の方からの問い合わせが多いシーズンです。

 

空手を習うと乱暴な子供にならないの?

お問合せいただく保護者の方からは、ときどきこういった質問をいただきます。指導をさせていただいている立場としては「大丈夫です、ご安心ください」という主旨の回答をさせていただいているのですが、具体的な例をあげて「大丈夫です、ご安心ください」の言葉にもう少し説得力を持たせたいと思います。

 

指導者から見た子供たちの変化とは

入門当初は落ち着きがなかった子供たちも、2~3か月も経てばいろいろと変化があらわれてきます。わたしが感じている子供たちの変化についてお話します。

落ち着き・集中力が備わってくる

まず、空手の稽古は複雑な動作が多く、きちんとお話しを聞いていないとついていくことができません。はじめはうろうろと落ち着きがなかった子供でも、だんだんと周りが真剣に稽古をしている空気を感じ始め、まじめに取り組むようになります。動作を覚えようと頑張ることで自然と集中力が養われます。

また、空手は正座や黙そう(目を閉じて集中する行為)を稽古の開始前後におこないますので、心を落ち着ける訓練にもなり、子供に落ち着きを身に着けることができます。

姿勢がよくなる

空手の指導をおこなう場合、構えや姿勢が正しいかということを一貫して指導します。子供たちも自然と姿勢が良くなります。

空手をはじめて1~2か月の生徒でも、「姿勢が良くなった」とお褒めの言葉をいただくことからも、姿勢は比較的早い段階で改善される傾向にあります。

礼儀正しくなる

空手の稽古中はあいさつをする機会が非常に多いといえます。

「道場に来たら礼」

「稽古のはじまりの礼」

「各稽古ごとに礼(型の稽古・組手の稽古がはじまる際など)」

「稽古相手への礼」

「稽古のおわりの礼」

一回の稽古であいさつをする回数が多いため、自分からあいさつをする行為が自然と身につきます。人見知りの解消にも良いですね。

体つきがたくましくなる

空手の稽古中には「補強稽古」といって、腕立て伏せや腹筋などの筋力トレーニングを取り入れています。入門当初はいちども腕立て伏せができなかった子供でも、続けることでできる回数が増え、体も鍛えられていきます。

※満足に回数をこなせなくても、体に力を入れているだけでも立派な筋力トレーニングになりますので、保護者の方は焦らずに見守ってあげてください。

また、スポーツをしていない子供と体つきを比較する機会があったのですが、空手を習っている生徒の方がしっかりしていました。道場だとわかりにくいかもしれませんが、子供でも、胸板の厚さなど体全体にしっかり筋肉がついていることを実感しました。

乱暴な子供にはなりません

空手の技を覚えることで乱暴な子供になるのではないかというご心配もあるかと思いますが、ご安心ください。

子供たちは組手の稽古などを通じて、

「相手に殴られたら痛い」

「相手を殴ったら痛がっている」

というように、「痛み」の感覚が養われていきます。

自分が相手を攻撃することで相手にどのような影響を及ぼすのかを体の感覚で理解することになりますので、乱暴にはならず、自分の力をコントロールできるようになります。

 

親も一緒に成長できます

子供の変化を見ていくうちに、親も一緒に成長することができます。

ときどき、自分の子供がうまく稽古についていけなくてイライラする保護者の方がおられますが、実は親も一緒に成長する機会でもあります。

当然ながら、子供が少しずつ成長していく姿を感じていくことで、保護者の方も自分の子供を落ち着いて見る目を養っているのです。

空手を通じて日常生活に充実をもたらすことがゴール

最後に、子供が空手を習うことのゴールを設定しましょう。

「試合に勝つ」

「力が強くなる」

もちろんこのような目標も大事ですが、試合に負けてしまったらダメでしょうか?

空手がなかなか上手くならないのがダメでしょうか?

本当のゴールは、空手を通じて一生けん命努力することで、子供が自分自身の成長をたしかめながら、それを日常生活にも活かしていくことだと考えています。

空手「道」という名のとおり、継続して取り組むことで空手は必ず自分を成長させることができます。保護者の皆様も一緒に成長していきましょう。

※「親子の成長」もテーマとしてありますが、最近は親子で空手をはじめる方も増えていますよ(^ ^)